2013-08-31

SS-47 音質レビュー 【小柳出電気商会/オヤイデ電気】 #11

はんだ聴き比べ音質レビュー第11回目は
オヤイデ電気のSS-47です。
前置き

小柳出電気商会は文京区に本拠地をおき、秋葉原で電線やオーディオ関連のグッズを販売したりなどする
自作派オーディオファンにとってはお馴染みのショップであるかと思われます。
さまざまなケーブルやプラグ、シースー、ハンダ、電源関連や様々なコネクタ各種など
幅広く取り扱う小柳出電気商会がオヤイデ電気ブランドとして販売しているSS-47のレビューを致します。
50g缶売り(定価 ¥1,890)
レビュー

まず、作業性については鉛が含まれていないタイプ(鉛フリー品)としても考えても
普通のハンダとして考えても作業性は良く初心者のかたも使いやすいハンダであると思います。
KR-19RMAと比較しましたら濡れ性など劣るところがありますがノリは良く
また融点は高くないため流しやすいです。鉛入りのものと同様の温度でも普通に溶けますし、
フラックで基板がベトベト汚れるなどもなく作業性の面では
普通におすすめできる鉛フリーハンダといえるでしょう。
基板・プラグ・楽器類での使用はとくに問題ないかと思います。

音質についてはKR-19RMAより情報量は少ないですが音を悪く聞こえさせる、音を潰すなどということはなく
ものとしては悪いものではないと私は考えております。
音の広がりについてはKR-19RMAとくらべて上下左右は特別広くも狭くもなくの特徴がありますが
やや奥行きが感じられふわっと音が広がります。優しさのある広がりで刺激感が少なく
中域を中心にストリングスなどが綺麗でゆったりと聴けるかと思われます。
スッキリさは全くないわけではないですがふわっとゆったりやさしい音のイメージのほうが
このハンダについて言えば強いでしょう。
他のハンダと比べまして銀の含有量が4.7%と高い比率で含んでおります。
高音にやや爽やかさがありますが中域のゆったりとした広がりや物腰柔らかい表現に
銀のクセがやや含まれているように感じます。
ギラギラとした印象はないため質としてはやはり悪くなく安い銀線では感じられないような
銀の中域のクセを少し体感できるという点で面白みがあると思います。
定位はKR-19RMAと同様にややボケ、音像の表現に特色は感じられませんが
柔らかく優しい感じがこの定位感にも現れておりハンダが原因で聞いててつかれるような事は
ないかと思います。
解像度では19RMAには劣りますが表現の面ではゆったり柔らかい音に特色があり
ケーブルやプラグの組み合わせによっては19RMA以上のパフォーマンスを表現の面で
実現できるということも考えられますからそういった意味でも面白みがあり、また若干価格は高いものの
扱いやすさもありますから1本持っていても損はないと私は考えております。
ゆったりとしたケーブルに合わせたり音の粗落としや刺々しさに対して中和する目的で使う、
柔らかい音でストリングスに特色を持たせるなどケーブルとの相性を考慮してつかう使い方もできますから
ケーブル工作初心者から手慣れた人まで幅広く使えると思います。
個人的にでありますが自作ケーブルに興味があるかたにはぜひ、一度試して遊んでもらいたいです。
そんな使いやすくも遊びのある一本としてSS-47を紹介させていただきました。