2013-09-10

【ケーブル自作】素材の種類による音の傾向などまとめ(2)

私の経験則でありますが線材などの素材の種類による傾向をまとめてみます。
今回はプラグなどに使われるメッキ素材に焦点を当てて取り上げます。(全3回)
簡単な概要など

ケーブルの素材としてまず線材では銅線・銀線・錫(メッキ)などがあり
プラグでは金メッキ・ニッケルメッキ・ロジウムメッキなどが主に使われている素材であると思います。
もちろん、同じ素材でも音の印象が違うことがありますが素材の違いにより発生する音の変化の壁は
大きなものであり、ある程度は素材の種類でグループ分けをして音の違いを傾向として表すことが
可能であると思います。今回はその素材の傾向を私の経験則でまとめていきます。
一概にすべての材料で当てはまるとは言えませんが大まかな傾向として参考になれば幸いであります。

素材の種類と音の傾向

・金(Gold)
金は線材としては一般的ではありませんがプラグのメッキとしては広く使われている素材であると思います。
また、ごくわずかながら金メッキOFC線のような形でも金メッキが使われることがあります。
ニッケルと比較しますとわずかにウォームですが基本的にクセは少ない印象で
ケーブル作成の際に安定して使いやすいと思います。音にはやや柔らかさがあり
音の分離などそれなりのものだと考えています。
まずステレオミニケーブル製作の基本としては金メッキがリファレンスになりえると私は考えています。

・ニッケル(Nickel)
こちらも金と同様にプラグのメッキに使われる素材です。REAN(ノイトリック)やAmphenolの
プラグなどに使われていることが多く安価なモノが多いです。
金メッキと比べチープに感じられ、質を低く感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが
ニッケルは金と比べ高音に華やかさがあり涼やかで存在感のある高音の表現をします。
中域も同様に金メッキと比べましてスッキリとした味わいでウォームな印象はありません。
主に中高域に特色があり低音がわずかながら削られる印象がありますが全体としてバランスは良く
優秀な素材であると私は感じております。
銀線やパラジウムなどとの相性は良く感じられ金メッキ系のプラグとの使い分けで音の調整ができると
私は考えております。気になる方は一度比較してみるのも良いかもしれません。

・ロジウム(
Rhodium)
上記2つのメッキ素材以外であればロジウムが使われている物もあります。
ニッケルはおろか金と比較しても圧倒的に高価な素材であり、メッキに利用するだけでも
コストが高くなります。そのため一般的にはロジウムメッキのプラグは高価になりがちです。
高価であるのに使われる理由はロジウム自体に中音域を中心に解像度の高さや分離の良さなどの
傾向によるメリットがあり効果になってでもメッキに使うことでロジウムの利点を得られるといった
理由があると考えております。割とハイファイ系な音で金のようなウォームな印象もないので
そういったところからもメッキとして採用される例があるのではないかと思われます。
ただ、プラチナ・パラジウムと同じく音に損失が生まれるため強い癖はないとはいえ
線材のクオリティの面で合うものと合わないものが出てくるかと思います。
素材としては良いものですがデメリットとしては
高価であること・音質が悪いロジウムメッキプラグも存在すること・
歯磨き粉で磨くだけでメッキがはげてしまうようなプラグも存在するなどあり、
ロジウムが使用されているからといって安定した品質・利益が得られないということもあります。
加工技術の問題かは不明ですが品質の悪いものも存在することから胡散臭いものとして
捉えられている印象もあります。ステレオミニプラグにおいてはこのようなハズレの存在もあるため
なかなか気難しい一面もあるように思えます。素直な音がほしいければBispaの銅ロジウム、
それに加えてタイトで深い低音が欲しければオヤイデにある海外製のロジウムメッキプラグを
個人的にはおすすめします。

・素材ごとの音質比較リンク集
【第1回】銅・銀の音質比較
【第3回】パラジウム・プラチナなどの音質