2013-09-17

【ケーブル自作】素材の種類による音の傾向などまとめ(3)

私の経験則でありますが線材などの素材の種類による傾向をまとめてみます。
今回はあまり馴染みのなさそうなレアメタルに焦点を当てて取り上げます。(全3回)



簡単な概要など



ケーブルの素材としてまず線材では銅線・銀線・錫(メッキ)などがあり
プラグでは金メッキ・ニッケルメッキ・ロジウムメッキなどが主に使われている素材であると思います。
もちろん、同じ素材でも音の印象が違うことがありますが素材の違いにより発生する音の変化の壁は
大きなものであり、ある程度は素材の種類でグループ分けをして音の違いを傾向として表すことが
可能であると思います。今回はその素材の傾向を私の経験則でまとめていきます。
一概にすべての材料で当てはまるとは言えませんが大まかな傾向として参考になれば幸いであります。


素材の種類と音の傾向



・パラジウム(Palladium)

こちらは一部、メッキに使われることがあるぐらいであまり馴染みのない素材かもしれませんが
ポータブルオーディオにおいてはカンタペルメのようなケーブルの存在もあり多少は知られるようになった
素材であると思います。ニラコさんなどで購入が可能ですがレアメタルであるため高価な素材です。
解像度が高くクリアな高音と中域、濃さのある低音が特徴で銀や銅とは似つかない
孤高の音をだします。カンタペルメなどを例に取ればわかりやすいですが解像度の高さとクセの強さに
特色がありGNDにパラジウムを使うとシャープな音に仕上がります。
信号線のみに使うだけでもパラジウムの恩恵を十分に受けられるため0.5mmのものを10cm単位で購入、
もしくは0.3mmのものを1m単位での購入がお勧めです。

・白金(Platinum)
こちらもあまり馴染みのない素材かもしれませんがプラチナゴールドニゲカスオーグライン+Ptのような
オーディオ用品で多少プラチナに触れる機会があると思われます。
主な特徴としては伸びやかでしっかり定位の良さと伸びやかさのある高音となめらかな中音域です。
高音はとにかく伸びます、オーグラインptでもその特色はわずかに出ていると思いますが
プラチナ単体で見ますと上品に破裂した印象がなくしっかりと上まで伸びます。
中域は艶などあるわけではないですがなめらかで解像度が非常に高い音で表現します。
ただし、低域はマイルドな傾向にありここに一番の強いくせがあります。
中域もプラチナの全体の量に対して高い比率で使用するとなめらかになりすぎて
全体の音の調和が破綻するため扱いの難しい素材であるといえます。
0.1mmのものを1m購入して束ねて使用、0.2mmのものを購入して1本軽く混ぜるぐらいが
ポータブルオーディオにおいてはお財布・音の表現上では健全であると思われます。
音のアクセント程度に適度に使えば高い解像度・高品質の高音域・ぬめっとエロい中域・破綻のない低域を
得ることができますし定位の良さも得られますので使いこなすことができれば非常に良い素材であると
言えます。上記で上げた2つのプラチナを使用したオーディオ用品はあまりプラチナの含有量が
高くないため強くプラチナの特色が出ている印象はありません。(高域にクセのありますが)
自作の場合はプラチナの含有量・クセを意識しながらケーブルの作成を行えば良い結果がでると思います。

・その他、ヴィンテージ素材(Other)
こちらは上記で上げている素材とは性質が異なるものですがせっかくですので紹介いたします。
ヴィンテージ素材は製造から10年・20年以上と長い年月が経っているものを指します。
これらの素材は時間の経過・保存状態など様々な要因で製造当初と違う性質に変化を遂げたものが多くあり
音の出方にも揃ってヴィンテージ独特の艶感・色付けなどといった特色があり
非ヴィンテージ素材と比較して音の表現の面で有利なものが多いです。
また、現在使われている銅素材よりもよいものが使われていることもあり音質的には
現在のものと比較しても劣らない、良い素材も多数存在しています。
保存状態や入手のしやすさ、在庫などシビアな一面もありますがパラジウムや白金と同様に
唯一無二の物も多数存在するため音の表現の観点に立つのであれば積極的に狙っていくのも
良いと私は考えております。



・素材ごとの音質比較リンク集
【第1回】銅・銀の音質比較
【第2回】金・ニッケル・ロジウムなどプラグのメッキ素材の音質