2013-11-09

【Harmony Wave】 八つ編みステレオミニケーブル作成 【音質レビュー】

Harmonic Technology(ハーモニックテクノロジー)のハーモニーウェーブを
使用して8つ編みのステレオミニケーブルを作成しましたので
音質レビューを掲載します。
前置き

Harmonic Technologyはアメリカのカルフォルニア州を拠点にケーブルを製造しているメーカーです。
高級なケーブルを数多く製造しておりますが日本では恐らくマイナーで
同社のケーブルはあまり流通していないかと思われます。今回入手したハーモニーウェーブは
生産終了品で安く入手できたのでポータブルでつかえるように分解加工をして
8つ編みのケーブルにしました。秋葉原のヨドバシカメラにて購入可能で定価は¥7,320/mになります。
GNDに4本、信号に各2本でGNDに重きをおく形で制作しております。
分解前の状態は記事のトップに掲載しております。

視聴環境とケーブルは以下のとおりになります。

レビュー

今回購入したケーブルは6NOCC(99.9999%)と高純度の単結晶銅線ケーブルです。
同等の純度のものを出すメーカーとしてはZonotoneやACROLINK、Ortofonなど上げればまだまだ出てきます。純度で見ればTara Labsやオルトフォンなどが8N(99.999999)のものも出していますので
珍しいとは言えませんがZonotoneの6Nなどと比較して高い水準でまとまったケーブルであると
私は考えております。具体的にこのケーブルがどのような優位性・特徴を持っているかといえば
ワイドレンジな音の表現・定位の正確さ・なめらかで色鮮やかな中域の表現の3点です。
これらの長所の比較にTara Labsの8NOFC Prism Omni(プリオム)を用いてレビューを書いていきます。
 
1.ワイドレンジな音の表現

ワイドレンジとは直訳で広範囲ということで音の範囲が広いです。音声が広いというわけではなく
聴感上で低音~高音の範囲が広く聞こえるというのがワイドレンジな音の定義でございます。
この線材では具体的に高音の範囲が広いです。この特徴はプリオムでも言えましたが
レンジの広さと繊細さの面ではハーモニーウェーブが上手であると私は感じました。
高純度の銅線やPCOCC(高音に粗さがあることが多いですが…)などと通常の3N/4N程度の銅線と
比べてレンジが広いことが多いですがとりわけこの線は高音の範囲が広く音の高音の音の余韻を
しっかりと拾うためワイドレンジな音という強みが強く出ているように感じます。
あまり高音が強くでると耳にキンキンきて聞いていて不快になることが多いかと思いますが、
今回のものは繊細さも兼ね備えており暴力的に高音が出ているわけではないですので
バランスの破綻がなくワイドレンジな音を高音方面で実現していると私は考えております。
前述の点とプリオムとの比較を考慮して6N銅はもちろんのこと8N銅と比較しても
ワイドレンジな音の再生で優位性はあると考えています。

2.定位の正確さ

結論から述べますと定位の正確さは今回購入した値段、もしくは定価価格でのレベルでは
正確であるといったところであります。ですが、他の線材よりも優れていることに変わりはありませんので
記載いたします。定位のポイントとしては上下左右や前後の立体表現・音像の正確さが
重要な要素であると考えております。プリオムも似た特徴はありますが音像の正確さの面で
強みがありました。各楽器や声など様々な基準はありますが今回はドラムなど打楽器に
焦点を当てていきます。ドラムなどは音の強弱やアタック感などがあり音像や位置などみる
基準にしやすいかと思います。音像に不正確な印象があれば音の立体感が失せ、
ドラムの位置・アタック感が埋もれた感じになったり方向感が不明瞭だったりさまざまな問題がでてきます。
Prism Omniでは位置に正確感があり像は割としっかりしています。しかし脳内定位風な聞こえ方を
する特徴もあると私は感じております。ハーモニックウェーブは像の形成では劣るところがありますが
プリオムのような脳内定位な音ではなく自然目な定位の傾向があり音の方向性などでは
プリオムよりは優位性があります。近い価格帯で同じ6N銅のZonotoneの線材と比べこの点で
格の違いがあると私は考えております。

3.なめらかで色鮮やかな中域

こちらは音の表現や好みの部分もありますが味や表現の力があるということで一つ紹介させていただきます。
昨今のオーディオ用のケーブルは色付けが少なくモニター的な鳴りをするものが多いですが
音がそっけなかったり細くつまらない音のものが多いと感じております。
あえて悪くいうのであれば音を鳴らしているだけといったものです。もちろん様々なジャンルの曲を
分け隔てなく鳴らせるという利点もありますので結局は個人の嗜好になるところでありますが、
最終判断の好みの基準に一つ記載いたします。
プリオムの中域は遅く、ウェットに余韻を響かせる余裕のあるなり方が特徴でしたが
こちらはなめらかに色鮮やかにが特徴で明るく色鮮やかな鳴り方をします。レンジが広く高音の余韻をしっかり
表現するところもこの明るさに影響していると思います。
プリオムと比較して中域に凹んでいるかのような色気のない印象はなく
なめらかなだけで済んでいるのでプリオムの遅い滑らかさが苦手な人には良いかと考えております。
弦楽器などもなめらかに伸びやかな表現をしますので音に感情などを多少は感じられるかと思います。
音楽の雰囲気にも影響を与えてきていますのでこのあたりにメーカー名の『ハーモニック』としての
特徴が反映されているのかもしれません。モニター用途には確実に向きませんが
音楽として色付けを行って聴きたい人には良い一本ではないかと私は考えております。

4.その他まとめ

その他、音のバランスはフラットでバランスは良好。解像度はプリオムに若干劣る程度で
価格とパフォーマンスのバランスは良い。音場は狭いなどないが広くもない。ただ、レンジは広く
スペックとしては十分に良いです。性能面ではプリオムと同等