
Bispaさんの真空管アンプ、SINK (1AD4Ver)の
音質レビューです。
視聴環境

iPod Classic→GoDAP-DDmod→SINK(1AD4ver)→JH13Pro
その他、X5のラインアウトやγなどとつないで視聴を行いました。
SINKはキットタイプのものを組み立て。真空管をRaytheonのものからTung-solの1AD4へ変更。
ボリュームをBispa製からVishayのP9へ変更。帰還抵抗は数値をそのままでLGMFSからMILLSの
無誘導巻線抵抗 MRA05へ変更。フィルムコンデンサなどはソケット化しているが純正のまま
LGMFCを使用。C4,C14はLGMFCの音が乗りすぎてしまうため、付属していたニチコンMWを使用。
視聴に使用した楽曲は下の通り。
レビュー
1.高音
クリアでスッキリさのある高音。濁りやざらつき、かさつきは感じずつぶが細かい。
高音のエッジなどきつさは感じず綺麗な印象。変に付帯音を強調するような印象はなく
音のつぶの細かさで繊細さが現れています。その点に好感を感じています。
粗さなどもないため良くも悪くも物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
レンジも狭くはなく音の粒の細かさによる爽やかさが特徴的でした。
2.中音
中音域は丸く滑らか。こもったまるさではなく伸びやかさや厚みもあります。
ハイブリッド構造でOPAの影響を受けている他、LGMFCなどの音も乗っています。
その為、真空管メインの音とは言いがたいかもしれませんが、
滑らかに透き通った中域に真空管らしさといったもの多少は感じます。
音のつながりも良好で純正のAHA-120とくらべても音の濁りやつまりなどは感じず
優れた印象を抱いております。
3.低音
低音は遅くもなく早くもなく、締りはほどほどにあるため幅広いジャンルに対応します。
質感としてはわずかながら軟質でソフトさを感じますが中域との相性を考えるとバランスは
とれているように思います。ただ、KWのもっさり膨らんだ感じが中音と低音の間に現れており、
その点で曲との相性が気になることもあります。
4.解像度
全体域を通して見通しの良さと音の粒の細かさが感じられます。音の密度は中域を中心にやや高め、
価格を考えたら頭一つ抜けたような印象があります。純正のオペアンプでは音に奥行きがなく
平面的な印象もありますが十分に良いかと思います。
5.分離・定位
クックリと音がわかれるようなことはないものの以前に音の際がグラーデーション状態で、
不自然さは感じません。シングルエンドとしては十分な性能で心地よいです。
定位は平面的な印象がありやや音の前後感が出にくい印象があります。音像も若干ボケがあるものの
性能としては十分でしょう。
6.その他
音場はAHAと比較すると横方向がやや狭い程度で不満はありません。
音はややウォームですがBispa特有のスッキリ感があり特徴的なサウンドです。
音が細かく中域がメインの曲やジャズなどは個人的には楽しく聞けます。
ただ、サイズは大きめで重いためポータブルとして使いたくない方もいらっしゃるのではないかと思われます。
7.総評
2万円程度で入手できるアンプとしては音はクリアで性能も十分に高いです。
今、入手できる真空管アンプとしては価格も手頃なほうでサイズや重量が気にならないなら
素直におすすめできるアンプです。