2015-03-05

【JH Audio】 Roxanne Universal Fit 簡易レビュー

Roxanne
秋葉原某店よりJH Audio Roxanne Universal Fitを中古で¥97,000で購入しました。


Universal Fitの魅力



私はJH13ProやUM-TF10X4、DD-KAIなどカスタムIEMを使ってきました。
カスタムの耳に吸い付くような圧迫感のない装着感が好きでユニバーサル機を使うということは
ここ5年で殆ど無い状況にあったように思います。

この記事を読んでいる方ならご存じの方が多いかと思われますが、
RoxanneにはカスタムIEM版が存在しており、カスタムIEMが好きな方で予算に余裕があれば
わざわざユニバーサル版を購入する必要はないかと思われます。

それなのになぜ、わざわざUniversal Fit(以下UFとする)を中古で購入したかというと下のとおりになります。
・価格の安さ(新品同士で10万円程度の差、UF中古ならCIEM新品の半額以下)
・納期の早さ(店に在庫があれば即納~1週間以内、CIEM版は4ヶ月程度)
・イヤピによる音の調整
・個体差のリスクの回避(中古での購入の場合)

価格の安さ・納期の早さはカスタムではないため、
イヤピによる音の調整はカスタム化によるフィット感を犠牲に行なっているため、
UFとCIEM版で一長一短となっているでしょう。
この3点についてはそれぞれの好み・状況に合わせて判断すれば問題はありません。

最大の問題点としましては個体差のリスクがある点です。UFをいくつか見比べた所、
ドライバの配置や配線・フェイスプレート内側の樹脂の充填量など
差異があることが確認できています。

さすがに同じ製造番号のもので左右で大きな音に違いがあるということありませんでしたが、
ロットの違いによるものでしょうかUFを4機種程度聴き比べた結果では
鳴り方や音全体のバランス、定位や分離感などある程度の違いがでてきました。

4ドライバの音の出口は1つのスパウトによりまとめられているため、そこで誤差が出ることは考えにくく、
内部のチューブの長さや曲がった部分のチューブの潰れ方、
その他細やかな製造の誤差の積み重ねにより個体差が出ている可能性があると考えられます。
少なくともいくつか聞き分けを行なった結果でありますので聞く人の耳の形の違いによる
誤差ではないと思われます。

各機エージングの進み具合は不明であるため製造の上の誤差以外での
要因で音の違いが発生している可能性もあり判断は難しいところです。
ただし、個体差のリスクも0であるとは言いがたいため、また高額商品であり、カスタム版では換えがきかない点からも
リスク回避の点は考慮すべきであると考えております。

ここ最近レイラやアンジーなどの新商品の登場によりRoxanneの中古品も増えてきております。
価格も10万円以下と以前よりは手をつけやすくなってきておりますので興味がある方はぜひ参考にして下さい。

簡易レビュー



音のバランスは低音寄りからスッキリ系まで可変抵抗により変更可能。
低音寄りからフラット、高音よりまでバランスの調整が効きます。
可変抵抗は低音専用ドライバにのみ割り当てられているため中高音域の音量自体は変化しません。

低音の質感は個体差もあるが基本はマイルドでもこもことなる個体もあります。
13proや2~4の多くの機種のようなかっちりした鳴り方は期待できずここである程度の好みが出てきます。

中域は分解能が高くくっきりと音が浮かび上がって来ます。金管楽器やボーカルなどの響きに濃密さがあり心地よさを感じます。
ただ、私個人としては誇張されて音が浮かび上がってきているような印象も受けました。
曲によっては不自然に感じることもあるのではないかと思われます。

高音は他の機種と比較しても上はしっかり伸び、定位がしっかりしています。エッジのきつさや音の細さを感じることはなく
しっかりとワイドレンジな音を実現できており好印象です。

その他、解像度は高く全体的に情報量が濃密。エージングや各個体の状態によるかも知れないが、
私のロクサは中域を除き音のつながりは良好。中域は不自然に浮き上がる印象はありますが音に曇りを感じないので
個性の一つとして受け止めております。リケーブルにより中高音、抵抗の交換などにより低音の改善効果が見込めます。

恐らく玄人向けで調整や選別など面倒な点は多くありますが、ポテンシャルは高くじっくりと楽しめる1機であります。
詳しいレビューは上述の理由など考慮の上しばらく書きません。本日は以上です。